道博「夷酋列像」展は「塗ってみた」を楽しむ特別展でした

去る9月13日の日曜日、北海道立博物館で開催中の「夷酋列像」(いしゅうれつぞう)展に行ってきました。

半年くらい前に告知を見かけて気になっていた特別展示です。
「夷=蝦夷=アイヌ」の「酋=酋長」の「列像=肖像画」。
日本史の資料集で見たことあるようなやつがいくつも展示されてました。
絵に限らず、当時(江戸時代)の関連の品々も展示。

この展示、たぶん何も知らない人が見に行ったら「なんで同じ絵ばっかり展示されてんだよ!他のなかったのかよ!」という感想を持つと思うんですよ…
なぜかというと、メイン展示の蠣崎波響作「夷酋列像」という酋長たちの肖像作品集が繰り返し展示されているから。
同じ絵が何度も展示されている博物展って珍しくないですか?
これ、同じ絵ではあるんですが、原本のもの以外は全て模本(模写)です。

「なんだよ模写かよ」とがっかりする方もいるかもですが、私は逆にここが面白かったです。
過去の絵描き達も普通にいいと思ったものは模写しまくっているというのが如実に分かるのが、とにかく面白い。
だって現物残っちゃってますからね。
物によっては、藩主の命令で模写した、なんてものもあったりして、模写する事自体も価値のある行動であると認められていたことが伺えます。

酋長たちの肖像画の模写は、元の作品とモチーフ、構図こそ同じものの、服の柄や表現がまったく違うものも多くありました。
これって、現代でいうところの「塗ってみた」とよく似ていますよね。
さしずめ、「蠣崎波響の夷酋列像を塗ってみた」みたいな。
歴史背景はあまり得意でない時代だったので詳細はよく分からなかったものの、絵描きという目線で見ると大変面白い展示でした。

なにかと物議を醸す模写関係ですが、「模写である」ことと、「元作品」を明らかにして敬意を払えば、模写の公開は基本オッケーなんじゃないかなぁと、展示を見ていて思った次第です。
(商業でない範疇のトレスや模写関係は「私が作りました!オリジナルです!」と名乗るから問題なのでは?説を採っています)
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